司法試験に向けて勉強している方、司法試験の発表待ちの方、司法修習の準備中の方で、司法修習中の生活について知りたいという方は多いのではないでしょうか。
今回は、司法修習生のお金まわりに関して、給付金制度を中心に解説します。
□司法修習生の給付金制度をご紹介!
勉強に集中する司法修習生にはいくら生活資金が給付されるのでしょうか。
現在、司法修習生は給付金として月に約17万円受け取れます。
奨学金制度とは異なり、返済義務はありません。
給付金の内訳は、基本給付金と住居給付金に分けられます。
基本給付金は司法修習生の生活費です。
現在、月額13万5000円が支給されています。
以前の給付金額の20万4200円から約7万円下がりました。
給付金額は今でも議論されていますが、1年間ほぼ勉強にのみ時間を費やさなければならないので、健康的な生活を送るためにはある程度の給付金は必要といえるでしょう。
基本的には月額給付ですが、事情がある場合は給付金が日割り計算され支給されます。
例として、通常修習期間の末日に属する給付期間、司法修習生としての身分ではない期間、修習停止期間などが挙げられます。
住居給付金は住宅を借り、家賃を払っていることを条件として、住居手当が支給されます。
上限は3万5000円です。
こちらも基本給付金と同様に月額給付ですが、事情がある場合は日割り計算され支給されます。
住居給付金の場合は、司法修習期間に借りている住宅ではなく、最高裁判所が設けた寮や自宅に居住した期間も対象です。
また、基本給付金と住居給付金以外に、移転給付金があります。
移転給付金は、月ごとに支給される給付金には含まれませんが、司法修習のために引っ越す必要があった際に支給される給付金です。
鉄道の距離によって支給される金額が決まっています。
□給付金制度の沿革と課題とは
司法修習生への給付金額は20万円から13万円へと引き下げられましたが、いきなり下げられたわけではありません。
現在の給付金制度は、返済義務がなく給料として支給される「給費制」と呼ばれるものです。
一方、20万円の給費制時代と現在の13万円給日制になるまでの間で、返済義務がある「貸付制」が行われていました。
ここでは、司法修習生の給付金制度の沿革について詳しく解説します。
*給費制から貸付制へ
2011年までは、約20万円の給費制がとられていました。
司法修習生は1年間、司法修習を受け勉強しなければならないため、無給では生活が成り立たないことを背景に給費制がとられていました。
現在よりも給付金額が高いことだけではなく、地域手当、扶養手当、通勤手当、住宅手当も支給されており、かなり手厚いサポートでした。
しかし、2011年に給費制は廃止され貸付制が採用されました。
給費制が廃止された背景には、政府の財政緊縮政策によって費用が回されなくなったことが挙げられます。
貸付制は、月額18万円から28万円を借りられる制度です。
貸付制を利用した修習生は、司法修習の1年間で約300万円の返済義務を負います。
また、大学院時代の奨学金の返済義務がある修習生も多く、司法修習後の二回試験に合格し、いざ念願の法曹になれたとしても、借金の大きな負担が残ってしまう結果となりました。
外国の制度と比較しても異例の制度は、経済的理由から法曹志望者を激減させました。
*貸付制廃止、給費制復活
法曹志望者が激減したことを受け、2017年に政府は給費制を復活させました。
給付金額は、以前と比較すると7万円も引き下げられ、手当は住宅手当と移転手当のみになりました。
法曹志望者の減少は続いていますが、年々減少幅は縮まってきています。
*現在の給費制の課題
給費制が復活し、法曹志望者減少の問題は改善されたように見えますが、まだまだ解決されていない問題があります。
1つ目は、給付額が十分であるかどうかです。
2011年までの給費制と比較すると、給付額がかなり引き下げられ、手当も縮小しました。
特に、住居手当は月額3万5000円のみの支給であり、引っ越し費用やアパートの敷金や礼金などの初期費用は含まれていません。
また、修習地によっては、家賃の相場にかなりの差が出てしまうため、一律3万5000円であるべきかも検討対象といえるでしょう。
2つ目は、貸付制時代の修習生の救済です。
法曹になった際に、300万円の借金があるかないかは大きな違いです。
救済策は示されていませんが、貸付制時代の修習生を救済することも課題とされています。
□司法修習生は給付金以外でお金を稼げる?
現在の給費制では、十分な生活を送れない修習生もいるかもしれません。
では、司法修習生は自分でお金を稼げるのでしょうか。
司法修習生には、修習専念義務があるため働けないイメージがあるかもしれません。
最高裁判所規則によると、アルバイトは禁止とされていますが、司法修習生は最高裁判所の許可を受ければ兼業が可能です。
給付金額は下がりましたが、修習専念義務に反しない程度という条件で、兼業に一部自由が認められ、自分でお金を稼げるようになりました。
□まとめ
今回は、司法修習生のお金まわりのことに関して、給付金制度を中心に解説しました。
住居手当は十分とは言い切れず、初期費用の捻出に困らないようにお部屋を探す必要があります。
当社では、敷金礼金ゼロのお部屋も紹介していますので、大阪が修習地の方はぜひご相談ください。
